HDD/SSD/各種メディアの消去

データ消去の重要性

業務で使用するPCおよびファイルサーバには大量の個人情報や機密情報がHDDや様々な記録メディアに保存されています。企業/個人ユーザーがそれらの記録メディアを知識なく廃棄すると、個人情報や機密情報が漏洩するリスクがあります。そのため、メディア廃棄前にデータを安全に消去することは、行政、医療機関、金融機関ないし個人情報を扱うすべての企業や個人にとって非常に重要な課題です。特にHDDは磁気記録の特性上、データ消去を行わずにドリルなどで穴をあける物理破壊を行っても、高度な解析装置を用いて破損していないプラッタに残った磁気からデータを読み出すことができるため、物理破壊を行う場合でも事前にデータ消去を行うことが重要です。

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データ消去と再利用

HDDや記録メディアのデータを完全に消去するためには、主に論理消去と物理消去の2種類があります。(消去と物理破壊は別の工程となりますので本項では説明を省略します)

■論理消去

U-Reach Data Solutions Inc.製デュプリケーターが採用している方法で、データの入ったHDDに十六進数の0x00やランダムな文字列を上書きすることで元のデータを読み込めなくします。HDDの機能は失われませんので、再利用が可能です。

■物理消去

HDDに強力な磁気を照射し、記録面の磁力を完全に消磁することで、データを読み込めなくします。データを記録するために必要な磁気が失われてしまうため、HDDの再利用はできず、廃棄するしかなくなります。

完全消去の規格

データの完全消去は国や業界によってさまざまな規格が定められています。U-Reach Data Solutions Inc.製デュプリケーターはその規格の中から信頼性が高く、企業での採用例が多い消去方法でデータの消去を行うことができます。また、一部の機種ではさらに信頼性の高い規格での消去も可能です。

■U-Reach Data Solutions Inc.製デュプリケータ全てで採用している完全消去規格

・NIST SP800-88r1ガイドラインによる1回上書消去

・DoD 5220.22-M規格による3回上書消去

■一部モデルに搭載している完全消去規格

・DoD 5220.22-M規格による3回上書き消去

・DoD 5220.22-M ECE規格による7回消去

SSDのセキュア消去について

SSDはNANDフラッシュの寿命を延ばすため、ウェアレベリングにより使用頻度の低いブロック(セル)にデータの移し替えや使用頻度の高いブロックに書き込みを行わないようにするなど、様々な内部処理が行われています。そのため、1回の上書き消去では全てのブロックに書かれたデータが消去されない場合があります

複数回消去を実行すればウェアレベリングが逆に作用して全てのブロックが消去される可能性がありますが、書き込み回数が多くなるほどNANDフラッシュに負荷がかかり、消耗してしまいます。

SSDのセキュア消去はSSDの製造メーカーがそれぞれ定めた方法でSSDの消去を行います。セキュア消去のプログラムはSSDのファームウェアに書かれているため、実際にどのような消去を行っているかを知ることは困難ですが、一般的にはウェアレベリングを無効にして全てのブロックを消去するようになっています。しかしながら、一部のSSDでは独自の処理を行い、短時間で処理が完了するものもあります。

物理的破壊

ハードドライブの破壊またはシュレッダー処理は、機密データを保護しプライバシーを確保する上で、極めて重要です。古くなったハードドライブには貴重な情報が保存されていることが多く、悪用されると、データ漏洩、個人情報の盗難、その他のセキュリティリスクにつながる可能性があります。ハードドライブを破壊するか、あるいはシュレッダーにかけると、記憶媒体が物理的に修復できないほど損傷し、データが復元不可能になります。

これは、ハードドライブに保存されている情報が、個人情報や財務記録、政府の機密扱いデータ、機密ビジネス情報など、扱いに細心の注意を要するものや機密性の高いものである場合には、特に重要です。完全消去に続いて破壊またはシュレッダー処理も行うことで、個人や組織は、潜在的な侵害や不正アクセスからデータを確実に保護することができます。これにより、プライバシーを保護し、データ保護規制を遵守することができます。